2007年5月6日日曜日

雨のエキスポ

■理系の大学というのは、専攻する分野にもよりますが結構実験が多い。
特に、私のように建築系を専攻していたら、毎日のように実験、実験です。まあ、建築といってもその幅は広くて、必ずしも実験ばかりというわけではないですけど。たとえば、建物のデザインであったり、先日もチラッと紹介した空間デザインであったりすると、ほとんど実験と言うものはなく、研究室に置いてあるマッキントッシュに向かってひたすらCGで絵を書いたりCADで色々線を引いたりするのがメインになります。

コンクリート構造物や橋梁工学なんかの研究だと、これは色々あって実験する人と部屋にこもって計算ばかりする人の二手に分かれるんですけど、幸か不幸か「前期に実験をやって、後期にその結果を解析する」という、1年間で両方ともやらなくてはならないグループに属してしまうことがあります。それはもちろん私のことで、かなり過密スケジュールの1年を送りました。

それで、建築系の実験で何があるのかと言うと、もちろん色々ありますが、その中に疲労試験というのが必ずあって。これはその名の通り、その物質がどのくらい疲労に耐えられるか。どのくらいの力を何回くらい与えたら壊れてしまうかを実験するものがあります。


■「風神雷神2」の事故は、車輪の車軸が折れたのが原因らしい。これに疲労が絡んでいるのかは分かりませんけど。単なるナットの締め忘れかもしれないし、大きな衝撃がかかったことで亀裂などが発生していたのかもしれません。でも、疲労がまったく無関係と言うことはないはず。

この事故では、1人が死亡、19人が重軽傷を負った。
何度も言うように私は大阪在住。もちろん、エキスポランドには何度か行ったことがあります。今回の事故は、私にとってちょっと複雑で。エキスポランドについて、私は楽しい思い出しかなくて、でもそんな場所で今回のような事故が起こると、今までの思い出の一片が否定されたような気持ちになりました。

エキスポランドには、メインとなるアトラクションが2つあります。1つは「オロチ」というジェットコースター。これは足が宙吊り状態になっていて、蛇のようにグネグネと何度も回転するコースを走るもの。そしてもう1つが、今回事故を起こした風神雷神。個人的には、エキスポランドの入り口を入って、戦隊もののショーなんかをやる劇場の右手にある、なんとかマウスという小さなジェットコースターのほうが百倍怖かった。普通のジェットコースターのように、始めガタガタと上に登っていって、その時点で妙に老朽化した音がするのでそれだけでも怖いんですけど。それより、上がりきった始めのコーナーが、まさに直角に左へ曲がるんです。しかも、その先はまさに断崖絶壁になっているので、本当に崖から車で落ちるような、とんでもない恐怖でした。
それはさておき、風神雷神はテレビや新聞で何度も取り上げられていたから知っている人は多いと思いますけど、これは立ったまま走るジェットコースターです。これに乗ったとき、まず思い出したのが映画:マッドマックス2。掻い摘んで言うと、いい人達のグループの一部の人間(たしか2人)が悪党どもに追い詰められて、脱走しようとする。でも、やっぱり悪党に捕まってしまって。そうすると、その捕まってしまった、いい人グループの2人は、なぜか悪党のボス:ヒューマンガスの車の前に貼り付けにされてしまいます。悪党からしてみれば、いい人達グループは敵なんですけど、だからってなぜ自分の車の前に貼り付けにする必要があったのか、いまだにわからないんですが。
一度、風神雷神の先頭に乗ったことがありますが、たぶんマッドマックス2で貼り付けにされた2人も同じような風景だったのかなぁ、なんて思って。結局、貼り付けにされた2人は、映画のラストで死んでしまいます。
その時は、「風神雷神に乗ってマッドマックスを思い出すヤツなんて、たぶん自分だけだろうな」なんて思いながら楽しんでいて。マッドマックスは今さら言う必要もないけど、もちろんフィクションですので、たとえ劇中で誰かが死んだとしても当然実際には死んでいない。
けど、今回の事故は実際に亡くなった方がいて。マッドマックス2の劇中で死んでしまった2人のことを考えながら風神雷神に乗って楽しんでいた自分と、実際に風神雷神で亡くなった方と。
教室でふざけていたら、急に先生にブチ切れされた時のように、突然現実を突きつけられたような気がしました。


■遊園地での事故と言えば、2005年4月に起こった東京ジョイポリスの転落事故が印象に残っています。なぜ印象に残ったかと言うと、ジョイポリスは東京以外に大阪にもありまして。そして、事故が起きるちょうど1週間くらい前に、大阪ジョイポリスのバーチャル・ハンググライダーゲームで上位10位内に入っていたんです。そのハンググライダーゲームはタイムを競うもので、そのタイムが上位にランクインすると、しばらくジョイポリス内の掲示板に名前が掲載されるというイベントがありました。そして、やっと上位にランクインしたと思ったら、東京ジョイポリスでの転落事故。
しばらくジョイポリスは全店営業停止になりました。どうやら、その間に私が作った記録は忘れ去られてしまったみたいで、日の目を見ることはなく、あの努力はなんだったんだろうと。確かに、系列店で事故が起こって、そのままのんきに営業しているほうが問題ですので、それは仕方ないし、ハンググライダーゲームのタイムなんて、事故と比べたらどうでもいいことですから。ともかく、そんな経緯でジョイポリスでの事故は印象に残っています。


■テレビのコメンテーターが、「今後、関係者の対応が楽しみです」なんて言ってました。
ちょっと引っかかったのが「楽しみです」というところ。一体なにが楽しみなんだろう。
人が1人亡くなっていて、それに対する対応が楽しみと言うのはどうも常識がない発言のように思います。
恐らく、そのコメンテーターもそういう意味で言ったわけではなくて。たぶん、ちょっと口が滑ったのか、もしかすると本人は全く自覚がないかもしれませんが。言いたかったのは、今後の対応――つまり遺族に対する謝罪や原因解明が大切だということだと思います。柳沢厚生労働相の「女性は生む機械」発言だって、言いたかったことはそういうことではないだろうけど。確かに、世間がちょっと騒ぎすぎた感がありました。でも公式な場で、とっさに不適切な表現が口から出てくるのは、やっぱり普段からなんとなくそういうことを考えている証拠なのかな、と。

今回の事故は、点検を先送りにしたことが原因の1つらしいです。点検とかチェックとかのミスで起こる事故が多いですが、ともかく起こってしまったことは事実。楽しみにはしていないけど、エキスポランドの方にはちゃんと対応してもらって。スッキリした気分で、なんとかマウスを楽しむことができるようにしてほしいと思う私でした。


■今日はこのへんで。
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2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

初めてカキコします。私もよく家族で、エキスポに遊びに行きます。少し老朽化が気になりつつ、ヒーローショーが大好きな4歳の息子の喜ぶ顔が見たいばかりに、しょっちゅう出かけてました。今回、亡くなられた方のご遺族の心中や計りしれません。不二家の問題もそうですが、今回の事件についても、一歩間違えれば、命にかかわる事態が起こるとの倫理感に欠けています。悲しい世の中になったものです。

岡本崇央 さんのコメント...

カキコありがとうございます。
本文でも書きましたが、起こってしまったことは変えられないので、今後しっかりとした対応をしてもらいたいものです。
貴重なご意見、ありがとうございました。